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SHINDEN家の食卓・・・エゾシカ肉料理編 [ハンティング編]

またもやだいぶ時間が経ってしまいましたが、せっかく獲れたエゾシカさん。
その後の顛末を書かねばなりません。
最後の楽しみは「食べる」事です。

そう、獲れた獲物は出来るだけ食べねばならない、と私は思っています。
食べてこそ、本当の供養になるのではないでしょうか?

北海道から帰って来た翌日、クール宅急便で冷凍されたエゾシカ肉が届きました。
仕留めたエゾシカは、当歳児のメスと思われます。体重は推定で50kg弱。
持ち帰れた肉は、ヒレ肉2本。背ロース2本。モモ肉2本。右肩1本。首の肉少々。
全部で8kg程度でしょうか?

まずは我が家のエゾシカ肉料理・第一弾
「エゾシカ肉の焼肉」です。

使った肉はヒレ肉と背ロース肉。
しかしあんなデカいエゾシカなのに、ヒレ肉は小っちゃ~い。
例えて言うと、スーパーで売っている冷凍マグロの長めサクくらいでしょうか?
これを焼肉サイズに切っていきます。
これだけでは足らないので、次に背ロースを切ります。
私は脂身の味も食してみたかったので、脂身を付けたまま切ろうとしたのですが、
勝手に脂肪層だけ剥がれてしまうのです。

こうして出来たのが、下の写真。
DSCN0703.JPG
写真で見ると少なそうですが、かなりのボリュームです。

食べてみた味は・・・けっこう美味しい!
味はラム肉に似ていますかね。牛肉よりはアッサリしていて
なおかつラムに近い味がします。
お肉はやわらか~い!
素人の私が切ったので、焼肉用としては厚めに肉を切っていますが、
口の中でサックリと切れます。
DSCN0705.JPG

脂肪分がかなり少ないので、焼肉のタレより塩コショウをふりかけただけの方が
私は好きです。
ちなみに鉄板に敷く油は、エゾシカの背ロースの脂身を使いました。

焼肉にしても、血はほとんど滲みませんでした。
野生動物だからもっと生臭いかと思いましたが、全然そんな事ありません。
このシカを撃った時、弾は心臓の上部(心室から出る動脈部分)をブッ千切っていました。
撃たれてすぐに倒れ、5秒ほど足を動かしていましたが、その間に自然と血抜きがされたようです。


次にエゾシカ肉料理・第二弾
「エゾシカ肉のカツレツ」です。

まずは肉の下ごしらえ。カチカチに冷凍された骨付きモモ肉からナイフとハンマーで
大まかに肉を切り取ります。
肉の表面には、エゾシカの毛だの土だの草だのが、けっこう付いているため、それを取り除きます。
(エキノコックスが怖いんですが・・・。まあ加熱するという事で。)
DSCN0738.JPG

(一応)キレイになった肉を、厚さ2~3cmくらいに切り分けます。
(私は厚めの歯ごたえのあるカツが好きなので。)

切った肉の表面に、塩コショウを振ります。(下の写真)
DSCN0739.JPG

次にこの肉に小麦粉をまぶし、とき卵に付けてパン粉をまぶします。
そこまで終わったのが下の写真。この辺は、子供たちの作業です。
DSCN0742.JPG

それを油で揚げて・・・
DSCN0741.JPG

はい、出来上がりです。
見た目が唐揚げっぽくなってしまいました。
パン粉が少なかったかな?
DSCN0744.JPG

食べてみると・・・かなりウマ~イ!
肉にシツコさや独特な味は、ほとんど感じません。
分厚いカツなのに、サクっと噛み切れます。歯ごたえが快感なくらい・・・。
これはトンカツ屋さんのトンカツやヒレカツより、絶対に美味いです!
あえて不満を言えば、肉汁が少ないかなぁ。
エゾシカ肉全般に言えると思うですが、ブタ肉や牛肉に比べて肉汁が少ないように思うのです。
これはシカが子供だったせいか、解体や冷凍保存が悪かったのかもしれませんが。

でもそのお陰で、焼肉にしてもカツレツにしても、かなりの量を食べても
胃にもたれません。このカツレツなら、カツサンドにしてもかなり美味しいのでは?


エゾシカ肉料理・第三弾。
「エゾシカ肉の塩釜焼き」。

表面を軽く焼いたエゾシカのモモ肉に粒ガーリックをまぶし、卵白と塩のペーストで包み、
それをアルミホイルで包んで、オーブンで焼きます。
ネットでは
「予熱したオーブンで、レアからミディアムレアに焼く。15~20分。中心温度は50度が目安。」
と書かれていましたが、寄生虫や病原菌の有無が怖いので、我が家では長めにしっかりと焼きました。
(シカ肉で、ごくわずかですがE型肝炎が発症した例があるそうです。
また野生動物は、様々な寄生虫や病原菌を持っている可能性があります。
シカ肉は"レアやミディアム"くらいが一番おいしいらしいのですが、我が家では熱はしっかりと
通すようにしています。)
DSCN0747.JPG

食した感想は・・・ブッ、からい!
表面の塩が付いている部分は、かなり塩辛いです。
逆に中心部は、塩味が通っていません。
これは失敗。事前に下味を付けて、肉は網脂などで巻いてから塩ペーストで包んだ方が良かったかも。

反対に一緒に作ったホイル焼きの方は成功でした。
アルミホイルに、残ったシカ肉の切れ端に粒ガーリックをまぶして、大目のバターを入れ、
醤油を少し入れて、そのままオーブンで焼いただけですが、味はGOOD!
DSCN0750.JPG

エゾシカ肉はどうしても脂肪分が少ないので、バターやオリーブオイルなどで脂分を足した方が
いいようです。肉も柔らかく、ご飯が進みました。(量が少なかったけど。)


エゾシカ肉料理・第四弾は「エゾシカ肉のホワイトシチュー」。
DSCN0751.JPG

これは通常のホワイトシチューで、鶏肉の代わりにエゾシカ肉を入れただけです。
ここまでくると、肉の切れ端だけがけっこう残ってしまうのです。
もったいないので、これをホワイトシチューに入れた所、これがベリーGOOD!
肉が柔らかくサクッとした歯ごたえで切れる上、鶏肉よりは肉の味が楽しめます。
アッサリした味もホワイトシチューと合うようです。
なおホワイトシチューに入れるには、あまり大きい肉の塊ではなく、細めに切った方が
いいように思います。
そういう点では切れ端の残り肉を使ったのは、正解でした。


最後になりますが、エゾシカ肉料理・第五弾
「エゾシカ肉のステーキ」

長男の誕生日のメイン・ディッシュにしました。
モモ肉を厚さ3cm程度に切り、フライパンにオリーブオイルを引いて焼くだけです。
例によってウェルダンにするため、しっかり火を通しますが・・・
あれれ、ちっちゃくなっちゃった!
火を良く通すと、肉が2回り近く小さくなってしまいました!
まあ量がそれなりにあるのでいいんですが・・・。
DSCN0786.JPG

焼き方はオリーブオイルをひいて、肉の表面だけ強火で焼きます。
次に弱火でフライパンにフタをして、じっくりと火を通す。

焼きあがったら、皿に乗せてバターを置き、ステーキ醤油(ガーリック)をかけて食べます。
これも肉は柔らかく、アッサリしていて美味しいです。
でもやっぱりステーキは、ミディアムくらいがいいかも。

私の父親は入れ歯のため、厚めの肉料理はけっこう苦手としているのですが、それでも
「柔らかい、美味しい」と言って食べてくれました。


これで我が家の「エゾシカ肉料理」は完了です。
本当は「肉のタタキ」「シカ刺し」など、生肉に近い状態で食べる方が、シカ肉は
美味しいようです。
しかし若いシカの場合は火を通しても肉が柔らかく、肉自体には強い味はないので、
他の料理にしても美味しかったかも。
カレーやビーフシチューには、まず間違いなく合うと思います。
スキヤキなんかも、濃い目のタレとクセのない味であったかも。
逆にコクが必要な料理は、さっぱりし過ぎて味気ないかもしれません。

肉はけっこうすぐ消費してしまいました。
こうなると、やはりアバラ肉とタンを取って来なかった事が、あらためて悔やまれます。

さて、次にエゾシカ肉を味わえるのはいつの日か?
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2008年度、北海道エゾシカ猟の旅!(その2・疾風怒涛の狩猟編) [ハンティング編]

さて、XXX(トリプルX)という、史上最強(最凶?)の射撃イベントも終わり、
徒然なるままに、エゾシカ猟日記を書き綴ります。
皆様、よろしくお付き合い下さい・・・。

第5日目
5時50分に目が覚めました。
さすがにこれほど車中泊が続くと、疲れが溜まって中々起きる事が出来ません。
しかし今日を逃しては、本当に猟果ゼロ、それどころか発砲1回だけ!となってしまいます。

自分に気合を入れて起き上がり、日の出を待ってスタート。
今日もエゾシカ発見は妻が協力してくれます。
湖を回る林道を探しますが、またもや道に迷ってしまいました。
キャンピングカーのカーナビが古い上に精度が悪く、山の中や湖・海の上を走っていたかと思うと、
突然適当な位置にワープするのです。このカーナビは、国道を通っている時の大体の目安にしかなりません。
道に迷っている途中、収穫が終わったジャガイモ畑でエゾシカの親子を発見!
ちょうど畑と森の境目にいました。
しかしここは畑のため撃てません。(林に回り込む道もわからなかった。)
しかしこのエゾシカは、収穫後のジャガイモ畑なんかで何をしていたんでしょう。
確かに掘り出されたジャガイモが、山と積まれていましたが・・・。
(エゾシカって、掘り出されたままのジャガイモでも食べるんですかね?)

その後、やっと林道に入る事が出来ました。
一度妻が崖の上の方にいるエゾシカを見つけましたが、私が見る間もなく
姿を消してしまいました。
林道を出るとすでに8時過ぎ。
近くの露天風呂を見物して、次の予定地「エリア88」に向かいます。
次男が1匹も釣れていないので、割と有名な川の支流で釣りをします。
(私は次のエリアに備えて休息)
結果はここでも釣れなかったようです。
北海道って、見た目はすごい釣れそうな川が多いのに、
何の反応もない所が多いのはどうして?魚がスレてる?

エリア88に入ってしばらく行くと、開けた場所からまばらな森が続く場所があり、
その森の中にシカの親子がいました。
何故かのんびりと水を飲んでいます。
ゆっくりとブレーキ音が出ないように車を止め、シカの方は見ないように孤を描いて歩きます。
何気なくしゃがみこんで、小さい崖を降り、枯草の中に隠れます。
シカはあまりこちらを気にしていないようです。
周囲を確認します。人気はない。大丈夫。

銃に弾を込めて構えます。両眼射撃。
う、枯草がスコープの前にあって標的が見えない。
位置を少しかえ、左手にいるシカに狙いを付けます。
シカの胸の部分に照準を合わせて、引き金を引きます。
バァッン!という銃声と共に銃が跳ね上がります。
1頭のシカが逃げるのが見えました。
車に戻ると妻が「すごいじゃない、当たったよ!」と言います。
「エッ、マジで?」と思わず聞き返してしまいます。
次男が「子供の方だよね、可哀想・・・」と言いました。(ToT)
 再度崖を降り、林の中を歩くと、そこに確かにシカが倒れていました。
(ま、まさか本当に当たるとは・・・あたらないと思ってました。)
怖々近づいてみます。犬より大きな死体を見るのは、初めてです。心臓がドキドキします。
車のそばの開けた場所まで運び出したいのですが、触った途端に暴れだしたらどうしようと思います。
勇気を出して頭を突いてみます。
  反応なし。死んでいるのでしょう。
(後でビデオを見たら、撃たれた瞬間に倒れ、5秒ほど足をバタつかせて動かなくなりました。)

後ろ脚を持って引っ張ります。枯草と下草のおかげで、何とか引っ張る事が出来ました。
体重は50kg弱でしょうか?そのまま70mくらい引っ張りますが、1人では崖が登れません。
助けを求めに車に引き返します。
次男は「僕はイヤ」と即座に断りましたが、長男はOKしてくれました。
長男と一緒に、エゾシカを引っ張って小さい崖を上ります。途中で2~3回休憩を入れました。
(本当に小さい上りですが、とても一気には上げられません。)
エゾシカを車のそばの開けた場所に、何とか移動する事が出来ました。
ここで家族と車は、私を置いて"トイレ探しの旅"に出てしまいます。
いよいよ肉を取るために、エゾシカの解体を行います。
本・ネット・皆様の教えを実践する時です。

↓↓↓↓↓(ここからグロい描写が続きます。苦手な方は読まないで下さい。)↓↓↓↓↓

まずは放血。頸動脈を切ります。
正直な所、動物にナイフを突き刺すなんて初めてです。
  うぉぉぉぉぉっ!こえぇ。マジ恐え。
ナイフで首を切った・・・つもりが、ほとんど血が出ません。
頸動脈以外だったのでしょうか?
必至になってどんどん首を切っていくと、ついには首の骨以外は全部切った状態に
なってしまいましたが、それでもあまり血が出てきません。
・・・すでに完全に心臓が止まっているからだろうか?・・・
足を持ちあげても(シカの上半身は地面に着いたままですが)、やはり血は出ません。
既にこの時点で、疲労の汗か冷や汗だか、よくわからない汗を全身にかいています。
放血は諦めて、腹抜き(内臓を取り出す)に取り掛かりました。
胸の真ん中(鎖骨の間あたり)からナイフを刺し、序々に腹の方へ切って行きます。
腹腔あたりで、白くて表面に筋が走っているような所が出てきました。(うぇっ)
これが腹の網脂でしょうか?それとも胃袋でしょうか?
さらに切ってみますが、どうも内臓に達している気がしません。
この表面の白い物体を切ろうと、ナイフに力を込めてみました。
「プシュー」というガスが漏れる音と共に、緑のような黄土色のような液が滲み出てきました。
どうやら胃を傷付けてしまったようです。
 マズイ、内臓は傷つけてはダメと書いてあったのに・・・。
液体はすぐに止まったので、元通り白いスジが走った膜の上を切り開いて行きます。
骨盤の所には、こぶしの大きさほどの脂肪の塊がありました。
これで内臓一式を外に引き出せる、と言う事で、白い物体を引きだそうとしますが、
まったく出てきません。
 (うぇ~ん、「スナイパー入門」の嘘吐き!)
足を持って逆さにしてみましたが、半端に白い物体が切り口からはみ出すだけで、
全然取り出せません。(ううう、気持ち悪いよぉ~。)

ここで「そうか、皮を先に剥ぐのか!」と勘違いして納得してしまい、
足の関節あたりに一周切れ目を入れ、そのまま腹を割いたところまでナイフで切れ目を入れます。
シカの皮は簡単に剥がれます。
皮も持って一気に引っ張ればベリベリっと・・・剥がれません。全然剥がれません。
ほんと、本の知識と実際やってみるのは大違い。
(他の動物と比べて剥ぎやすいのかもしれませんが、一般人にとってはこれは難しい事です。)
仕方なく、皮と筋肉の間に少しずつナイフを入れ、序々に序々に皮を剥がして行きました。
野外のため、体の左側だけ皮を剥がします。
ちなみにこうやっている間も、周囲には絶えずキョロキョロ目を配らせています。
腹を割いたシカの匂いを嗅ぎつけ、ヒグマがガォーッ!と来ても困るので。
 (でもよく考えたら、ヒグマが急にここで襲ってきたら、為す術ないんですよね。
 銃は隣に置いておきましたが、弾が入っていないんで。)
肛門と尿道もの周囲を丸く切り取って(うおっ!背中がゾクゾクして来た。)
・・・でも内臓が取り出せません。
ついに勇気を振り絞って腹の中に手をつっこみ、力任せに内臓を引き出します!
どこから取れたのかわかりませんが、胃・腸・肝臓は一塊となって外に出しました。
胃と肝臓はすごくデカイです。胃なんてゴミ出し用の袋の3分の2くらいあるでしょうか?
ちょっと切れた所から見ると、中には牧草?のようなものが大量に詰まっていました。
胸腔の中を除くと、血の池です。白っぽい肺の間から見えている赤黒い塊を引っ張ると
簡単に取れてきました。拳の2回りほど大きい、これが心臓です。
心臓はほとんどそのままの形でしたが、動脈の所が千切れていました。
これで首を切っても血がほとんど出ず、胸の中が血の池になっていた理由がわかりました。

背中の内側にある2本のヒレ肉を取ります。ずいぶん小さいです。
次に背中側の皮を剥ぎ、骨盤から肩あたりまでに背ロースの部分を2本取ります。
これでもまだ肉が少ないので、モモ肉を取ることにしました。
腿の付け根にナイフを入れると肉がやわらかいせいか、サクサクと切れます。
股関節は意外と簡単に外す事が出来ました。
(反対に足の膝関節を外すのは、めちゃくちゃに苦労しました。)
ナイフにシカの脂が着くのですが、それがすぐに白く固まってしまいます。
しかもその脂にシカの毛がつくので、そのナイフで切った肉にもアチコチ毛がついて
しまうのです。
 「こりゃトリプルXで皆に出せんな。(これで食当たりされても困るので。)」
と言う事で、知人へのお土産も会社の人へのバーベキューの提供も中止しました。
 (結局、家庭内消費分くらいしか、獲れなかったんですけどね。)
4~5回ナイフを振るうと、脂が固まり毛がついてしまうので、何度もティッシュで拭います。

↑↑↑↑↑(ここまでグロい描写が続きます。苦手な方は読まないで下さい。)↑↑↑↑↑

と、周囲を見ると、すでに暗くなっています。
いつの間にやら2時間半!も経過しておりました。
この暗い林の中に、解体中のエゾシカと2人っきりでいたなんて・・・
恐い、恐いです。改めて認識するとさらに恐いです。
今すぐにでもヒグマの鼻息が聞こえそうで・・・。
急いで携帯で電話します。(アンテナが立っている所で良かった!)
妻達は、近くの海岸(今いる川のそばの河口あたり?)で遊んでいるとの事です。
(な、なんという薄情な妻!まあ「子供たちにシカの解体なんて見せたくない!」と言う事ですが。)
車が戻ってくるまでの15分間、真っ暗な中で寒さもあって震えていました。

やっと車が来たので、ブルーシート上の肉を肉袋に入れ、とりあえずシカの亡骸に手で土を被せ、
車に乗り込みました。心の中で
「ごめんね。明日ちゃんと埋めに来るから。」と謝って・・・。
肉はクーラーボックスに、コンニビで買った氷と一緒に入れておきました。
もう肉体的にも精神的にヘロヘロです。
本当に疲れきってしまいました。
 (妻いわく「ヒョロヒョロよたつきながら、登って来た。」と言う事です。)
「自然から命を頂く」って、本当に大変な事ですね・・・。
本当なら「初猟果GET!」と言う事で、宴会でもする所なんでしょうが、
気分がドン底まで落ち込んでいて、とてもそんな気分になれません。
「あ~あ、俺、何で撃っちゃったんだろう。わざわざ北海道まで来て・・・。」
みたいな考えが、頭の中を反芻します。
(アキバのジャンク屋のマザーボードより不完全な良心回路が、珍しく働いたようです。)
ホントはシカが獲れたらすぐに皆に自慢のメールを打ってやろう・・・
・・・というつもりだったのですが、罪悪感に苛まれ、そんな気分になれませんでした。
後からビデオで見てみると、獲れた後の私の様子など、犯罪者か何かのように挙動不審です。
よっぽど動揺していたのでしょう。

その日の晩御飯として「エゾシカ肉のバーベキュー」をやろうと思ってましたが、
私の精神的疲労と家族の反対により、中止となりました。
ホテルで入浴だけさせてもらい、実家や会社へのおみやげを買います。
ふと見ると「ご当地ワイン」があったので、それを1本買います。
私は普段は酒は飲まない(飲めない)のですが、この日だけは飲まないと
眠れなそうな感じだったので・・・。
妻が「お葬式の時は"献杯"って言うんだよ。」と言う事で、4人(子供はフルーツ牛乳)で
可哀想なシカさんに献杯いたしました。
酒に弱い私は、この日はすぐに泥のように眠りこみました。
※下の画像のエゾシカは、撃ったエゾシカとは、まったく関係ありません。
別の所で写真を撮った雄ジカです。
ezosika1.JPG

第6日目
やはり5時に目が覚めます。
前日にスコップを売っている店が見つからなかったので、とりあえず落ちていた棒を拾い、
それでシカを埋める事にしました。
昨日の場所に戻ると、周囲にカラスやらタカやらがいっぱいいます。
かけておいた土はほとんど取り払われ、皮を剥いだ所はキレイに骨だけになっていました。
内臓も草が詰まった胃を除いて、どこにもありません。
たった一晩で、ほぼキレイに皮と骨になっていました。
 (これには驚きました。何と言う自然の浄化力!でももったいなかった。
 今から考えると、シカのあばら肉片側だけでも、持ってくればよかった。
 タンも無理しても、獲ってくれば良かった。)
棒で穴を掘りますが、少し掘ると石ころがたくさん出てきたため、あまり深く掘れません。
仕方ないので、そこでシカの亡骸を埋め、上から石・土をかけて棒を刺してきました。
エゾシカに謝罪と感謝を込めて・・・。
このエゾシカが獲れた事で"おなかいっぱい"になってしまったので、
この日は狩猟は休みにして、アチコチとドライブにしました。
higuma1.JPG

第7日目
狩猟が出来るのは、今日が最後の日です。
昨日1日おいた事で、精神的には復活しておりました。
何とか念願のエゾシカを獲れましたが、まだ肉の量としては不十分ですし、
次男が「シカの角が欲しい!」と言っていたので、何とかオスを仕留めたい所です。
そう言えば、見るのはメスの子連ればかりです。オスは最初に1回見ただけです。
1回山の上の方でシカ2頭が逃げるのが見え、銃を持って出て行きましたが、
道から草地に降りる間に逃げられてしまいました。

しばらく国道と並走する林道を走ります。
すると左手の股下までの草原の中を、大きな角をもったオス鹿が、
後ろに2頭を引き連れて、堂々と歩いてくるではありませんか!
まるで図鑑かテレビのような、堂々としたオス鹿です。
急ブレーキにならないように車を止めます。
一応地図で狩猟可能地域か調べます。
よし、大丈夫。
銃を持って車を降りました。
シカの左後ろ側になり、まだシカは気付いていないようです。
弾を込めると、立木に寄って銃を構えます。
とその時、オス鹿は何を思ったか、突然走り出しました。土手を降りようとしています。
くっそ!スコープを覗くとシカの胸が大きく映ります。
シカは動いているけど、一昨日より距離は近い!(おそらく50mくらい)
急いで引き金を引きました。銃声が響きます。
しかしシカはすっ飛んで土手を降りて行きました。
あとの2頭も続きます。
 ・・・えっ、あの距離で外したの?・・・
急いでシカが落りた土手に走ります。
エゾシカ2頭が、背丈ほどある熊笹の中を走り去っていくのが、ギリギリ見えました。
 ・・・もしかして当たっていて、どこかに倒れていないか?・・・
淡い期待を抱いて、シカがいた当たりを探し回ります。
ですが、どこにも当たった形跡がありません。
未練たらしく、熊笹の周辺もウロウロしてみますが、すでにシカがどこを通ったかすら、わかりません。
(途中でシカの「キューン」という鳴き声が、笹原の向こうの林から聞こえてきました。)
動いていたとはいえ、昨日よりも全然近い距離だったのに・・・。
スコープにも、胸がドアップで映っていたのに・・・。
せっかくの立派な角のオス鹿を逃した事も残念ですが、
それよりもかなりの近距離を外した事に、悔しさが込み上げます。
こうして私の狩猟欲求は、完全に復活いたしました。
それにしても、惜しい。あのシカ。角の枝が3枝くらいあろうかという、
立派なオス鹿だったのに・・・。

なおこの日も相当の距離を走って、最後は札幌に着きました。
やっと晩御飯にありつけたのは、すでに夜10時半。家族の疲労も限界です。
この日の夕食は、札幌のトリトンという回転寿司。
かなりの有名店らしいのですが、ここが安くてウマイ!本当にウマイ!
(回転していない)カウンターの鮨屋よりも、ウマイと言って過言ではないです。
特にサケ、トロサーモン、タラバガニ、鯖寿司がウマイ!!!
P1000077.JPG
満腹して眠りこける家族を後ろにのせ、眠気に襲われながらも、今夜のキャンプ場まで
1人孤独に車を走らせました。

第8日目
いよいよ東京に帰る日です。
私はエゾシカ、妻は花畑牧場の生キャラメル、長男はアメマスと、
想定よりは小なりと言えども、それぞれ目的を果たした事になります。
・・・と、次男が「僕だけ何にも獲れてない・・・。」と暗い顔。
よって日の出からC川の釣れそうな場所を探して、車を走らせます。
※下の写真は、長男が釣ったアメマスです。
amemasu1.JPG

何か所か見た後、車が止められてかつ釣れそうなトロ場がある場所が見つかりました。
長男と次男は釣り。私と妻は帰るために荷造りです。
行きも大荷物でしたが、帰りも大変です。朝7時から始めて10時半までかかってしまいました。
途中、雨が降り出して来たため、長男は竿を納めて荷造りを手伝ってくれます。
雨の中、1人で釣りをしている次男が可哀想で様子を見に行きます。
何度か反応はあるそうです。
しかし川の見方が悪そうです。

少し場所を変えてエサを投げ入れると、1発でヒット!
15cm程度のマスが釣れました。
もう少しやるというので、2投目をするとまたすぐにヒット。
やはり20cm弱のマスです。
そこに来た地元のフライマンが、これはブラウントラウトだと言います。
やっと次男も、北海道まで来た釣果をモノにしました。
思わずニッコリ顔。
これで4人とも目的を果たした事になります。
(このネバリが勉強に向けられてくれたら・・・)
DSCN0660.JPGburamasu1.JPG
既に時間も押しているので、コンビニで荷物を送付依頼し、空港に向かいます。
連休のためか、東京に向かう人も多く、荷物預かり場所は混んでいました。
(やはり銃を持って飛行機に乗る場合は、最低1時間半は前に手続きしておくべきですね。)
14時。飛行機に乗り込みます。
飛行機への搭乗通路から見ると、外にはハッキリとした虹がかかっていました。
こんなにハッキリした虹を見たのは、生まれて初めてです。
DSCN0682.JPG

こうして私の初めての北海道エゾシカ猟の旅は終わりました。
振り返ってみても、人生初めてだらけで、よくここまでうまく行ったもんだと
自分でも半分感心します。
しかし反省点も多い旅行でした。
次回は「北海道エゾシカ猟、1人反省会編」を書きたいと思います。
(引っ張るなぁ~。)

最後に、初めてだけに家族4人で北海道に行った事は、本当に良かったと思ってます。
正直、子供達を学校を休ませてまで連れて行く事には、けっこう抵抗がありました。
(長男は、すぐ後に定期テストもあるので。)
しかし日々大きくなり親離れして行く息子達を見てると、
一緒に旅行をして、一緒に何かを感じる機会は、あとどの位あるのか?
そんな思いに捕らわれます。
よって今回は多少無理しても、家族みんなで行く事を決断しました。
旅行中、長男も次男も色々と手助けしてくれ、気づかない内に大きくなったな、と
改めて実感させられました。
(もっともこちらは、その分だけ老いましたが。)
もし私1人で北海道を回っていたら、もっと味気ない旅になっていたと思います。
息子たちとも、久しぶりにゆっくりと話をする事が出来ました。
(妻は「くだらない話ばっかしてた。」と半分怒ってましたが。)
いつか息子達も、自分一人かまたは友達と北海道旅行に来るかもしれません。
その時に「あ、ここは家族で泊まった所だ。」「ここで親父とこんな話をしたなぁ。」
と言う事を思い出してくれれば、私としては言う事がありません。
この次も、また家族みんなで来よう!と話しています。
(定年後は、北海道に移住して、釣りと猟をして暮らしたい・・・)
北海道、サイコーーー!
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2008年度、北海道エゾシカ猟の旅!(その1・迷走編) [ハンティング編]

・・・俺は今、北の大地に立っている・・・

(本当はこれを書いているのは、すでに新宿の職場なのですが・・・)
と言う訳で、私はハンター憧れの地・北海道にエゾシカ猟に行ってまいりました。

思えば長かった・・・。
中学時代、釣りに凝っていた時は
「俺は釣りキチ三平のように、釧路湿原でイトウを釣りたい。」
と日々夢想し、
高校時代は
「北海道ツーリングに行こう!どこまでもまっすぐな道を走りぬけたい!」
と仲間と語らい・・・。
(私の住むチバラギも、けっこうまっすぐな道が多いんですけどね。)
あれから早ン十年。
やっと念願の北海道に来る事が出来ました。

行ったのは10/26~11/2!(チッ、25日の解禁日を逃しちまったぜ。)
北海道までは飛行機(Air Do!です。1人往復で21000円、安い!)です。
北海道での足と宿は?(・・・同じネタフリで、すんません)
ふっふっふ、それを両立したのは、なんと憧れのキャンピングカーです!
キャンピングカー・・・モーターホーム・・・何と心地よい響き。
しかしキャンピングカーなんて、よっぽどの大金持ち(ちびまるこちゃんのハナワ君クラス)でないと、
体験できないかと思っていました。
それがあっさりとレンタル出来るなんて・・・。
(後でキャンピングカーは、本格的なハンティングや釣りには向かない、と解るのですが・・・)

前置きはさておき、第1日目。
昼過ぎにレンタルしたキャンピングカーで空港を出ます。
本日は主に移動です。東に向かいます。

山に入った所で、最初のエゾシカを見ました!
道路沿いの草地で親子らしい3頭が、のどかに草を食べています。
「こ、これがエゾシカかぁ!!!思ったよりもデカイ!」
と取りあえず、車を止めてじっくりと観察。生まれて初めて見るエゾシカを、ビデオに収めます。
う~ん、再先いいぞ。こんなに簡単に見られるなら、猟場に行けばもっとウジャウジャいるに違いない。
嫌がおうにも、期待感は高まります。
途中で高速を降りて、まずは第一発目の北海道名物・ジンギスカンを食べます。
ジモティご用達と言う事で、安くてウマイ!満足です。
やがて道は山の中に入ります。そしてついに第一の猟場予定ポイントに到着します。
(便宜上、この第一の猟場をサイド7と呼ぶ事にします。)
このサイド7は、エゾシカが多くて有名な所です。
そして噂に違わず、峠道を走るとアッチコッチにエゾシカの姿が!
長男と(妻と次男は寝ていた)「アソコにいる!」「アッチにもいる!」
とハシャギながら車を走らせます。おそらく2~30頭は見たでしょう。
すでに深夜と言う事もあり、明日に備えてチェーン脱着場に泊めました。

第2日目
4時半起床!運転席と助手席に横になっていただけなので、熟睡できませんでした。
(けっこう寒いです。カラダがガタガタと震えました。)
日の出を待ち、林道の入口に車を止めて、出発です!
(家族はキャンピングカーの中で熟睡です。)

憧れの北海道でのエゾシカ猟、第一歩。
今回猟用に買った作業服とMA1の安ジャンバーに、いつものLL.Beanのベストを着用し、
腰には(普段では絶対に持ち歩かないような)大型ナイフを付けます。
(ヒグマに襲われたら、おそらく弾を装填する時間はないので、このナイフだけが頼りです。)
銃カバーをかけたモスバーグM695を手にして、谷川沿いの林道を歩いて行きます。
とは言うものの、行く前にうりゃさんにさんざん
 「ヒグマに気を付けてね。」
と言われていたので、すでに姿勢は及び腰です。
物陰、曲がり角、ちょっと深めの熊笹のヤブ。
その中から今にもヒグマが飛び出してきそうで、ビビリまくりです。
(そんなシューティング・ゲームのように、ヒグマが待ち伏せている事はない、とわかりつつも恐い。)
泥状になった林道では、何回かシカの足跡を見ました。
シカの糞もあります。黒いけどまだ湿っているのは、フンをして間もないからでしょうか?
(朝露で濡れているだけかもしれませんが。)
しかし残念ながら、シカの姿は見当たりません。
日の出から15分ほどして、どこか遠くで銃声が聞こえました。
そう言えば林道の入口(かなり広く、車は10台くらい止められそう。)には、
私の車しかいませんでした。
他のハンターがここにいないという事は、この山(林道)にはシカはいないのでしょうか?
やがて谷川とぶつかる所で、林道は終わっていました。
(途中で上に上る道もあったのですが、ヒグマが怖くて行けません。)
ここまで歩いて40分ちょっと。
帰りは20分で車までたどり着いているので、距離的には大した事ないのですが、
いかに行きはビビリながら歩いていたか、わかると思います。
・・・(シカは)昨日の夜は、道沿いにあんなにいっぱいいたのになぁ。どこ行ったんだろう?・・・
という疑問が湧き起こります。(ベタな展開ですが、本当にそう思います。)
歩くのは止めて、別の林道を車で走ろうと思い、車を出しました。

GSがあったので、ここで給油します。
給油機も1台しかなく、やっているのかやっていないのか?わからないようなGSでしたが、
車を止めてしばらく様子を見ていると、中からおばあさんが出てきてくれました。
燃料を入れながらエゾシカ猟に来た事を話すと
「昨日もシカ撃ちにきた人がいて、シカが獲れねぇから川で魚取ってったって、
こんなデカイ魚を何匹も車に下げてたよ。」
と手を60~70cm程に広げて言いました。
と言う事でシカを探しつつ、近くの川へ直行!
長男が30cm超のアメマスとヤマメを釣り上げます。
私が20cm程度のアメマスをGET。(あとで腹を開いたら、卵持ちでした。)
苦労して塩焼きにしますが、腹を満たすほどにはならず、阿寒丹頂の里に向かいます。
ここは「SafaJapan」の社長の
「2007北海道狩猟研修」(http://sefa-japan.la.coocan.jp/hokkaidou.html)
を読んで、ぜひ行ってみようと思っていました。
が、残念ながら記事に載っていた、入浴と食事の1000円セットは11/1から、という事です。
諦めて風呂に入り、かなり遅い昼食を取ります。
子供たちが牛塩焼き丼、私と妻がかしわそばです。
P1000080.JPGP1000081.JPG
どちらもけっこう美味しかったです。
赤いベレーを出た所で、ハンターらしい人がいたので声をかけてみました。
その方いわく、流し猟では獲れなかったけど、その後に山を歩いてシカ笛を吹いて2頭獲ったとの事です。
うらやましいけど、シカ笛も持っていないし、うまく吹けるかどうかもわからない私には、出来ない方法です。
駐車場で仮眠を取り、町まで行って「なごやか亭」の回転寿司を食べて
P1000062.JPG
この日は近くのキャンプ場で寝ました。(途中で道端にシカがいました。)

第3日目
5時起床!キャンピングカーと言えど、さすがに2人用ベッドに4人で寝るとキツイです。
(このキャンピングカーは、後部座席に大人2人、バンクベッドに大人2人が寝られるようになっています。)
日の出を待ち、車をスタートさせます。
しばらくは湿地帯のような雑木林の中を走りますが、やがて開けた牧場地帯に入ります。
入りたいと思っている林道の入口が、中々みつかりません。
さんざん道に迷ったあげく、やっと目的の林道の入口に到着しました。
(ここを便宜上、第三新東京市とします。)
すでに時刻は8時近くなっています。
車が行き来も方向転換も出来る場所に、車を止めます。(家族はやはり爆睡中です。)
ここの林道は林道と言っても、かなり広いです。道もある程度は整備され、草も少ない事から
普段からある程度の交通量があると思われます。
道には乾いたシカの足跡(1体分のみ)があります。
道は尾根沿いに進み、所々で杉林を通って、谷間の小川(あまり水の流れがない)に来ました。
2回目と言う事もあり、ヒグマへの恐怖は薄らいでいます。
谷間を超えた所で、道端にシカの頭骨が転がっていました。
完全に白骨化しており、角はのこぎりで切り落とされた後があります。
この当たりにはシカがいる、と言う事でしょうか?
静かです。この林道も、私以外にハンターが入っている形跡がありません。
(銃声も聞こえず。)
う~っむ、「駅前でシカを探す」行為をしているのでしょうか?
でも気持ちはいいですね。
本来ならこの時間は、新宿の某所でPCに向かって資料を作成している時間です。(会議中かな?)
思い出して携帯を見ていると、ここは電波が2本立っていました。
谷を超えるまでは圏外だったのですが。GPSで位置検索を行ってみました。
鳥が多いです。名前は不明ですが、黒っぽくて喉から胸にかけて明るい茶色のハトくらいの鳥が
ちょっと歩くと藪から飛び出して、近くの木に止まります。
キツツキが、木を突いているのも見えます。
ワシかタカが、さっきから何度も私の頭上を飛んでいます。
林道はまだまだ続いていますが、ここで引き返し車に戻りました。
猟場を離れ、釧路川に向かいます。
一応釧路湿原の中のはずですが、意外に整備されていて
「ヤチマナコがあり、入ると命に関わる大湿原」
という感じがしませんでした。(印旛沼の裏にも、この程度だったらあるような・・・)
子供たちが釣りをしますが、この日から急激に寒くなってきたせいか、まったく釣れません。
諦めて釧路に戻り、ポスフールでラーメンを食べ、花畑牧場の"生キャラメル"を買いました。
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この釧路のポスフールって、住所が「××原野」とかって出ていたんですが、かなり開けています。
正直ここが原野なら、成田も原野だし、八街(千葉の田舎)なんて樹海です。
釧路川も、利根川みたいだし・・・私は湿原の主・イトウがいる人跡未踏の地を想像していただけに、
ちょっと(けっこう)ガッカリしました。
この日の晩飯はセイコーマートで買い、昨夜と同じキャンプ場で車中泊でした。

第4日目
5時起床!9時には寝るという、日常では考えられない生活パターンのため、5時起床もさほど苦痛ではありません。
(車中泊の疲れは溜まって来ていますが。)
すでに3日過ぎましたが、狩猟中には一度もシカの姿を見れていません。
当然、まだ1発も発射すらしていません。
シカが獲れない事は覚悟していましたが、見る事はもっと簡単にでき、
1日に2~5回程度の発砲チャンスはあると思っていました。
(山を歩けば、ピョンピョン走っているシカが見られると思っていました。)
よってこの日は家族全員の力を借りて、エゾシカ捕獲に努めます。
今日は大きくシカのいるエリアを車で回り、最後に昨日の第三新東京市で谷間まで車で行って、後は歩く予定です。
途中、国道でシカ(おそらく今年生まれ)が、車に跳ねられて横たわっていました。
この近くにシカはいる、という証拠です。
やがて牧草地と牧草地の間の枝道で、妻が「あっ、いた!」と声を上げました。
エゾシカの親子が、枝道を横切っています。
私が車を止めると、2頭のシカは急いで牧草地横の林に降りて行きました。
銃を持って走ります。が、林の中を除きこむと、すでにシカの姿は影も形もありません。
目を凝らして林の奥を見ますが、どこにいるかまったくわかりません。
諦めて戻ってきました。
シカはよっぽど早く林の中を走れるか、または隠れると素人の目には見つけられないか、どちらかになります。
(おそらく私には見つけられない、と言う事だと思いますが。)
しばらく走って、第三新東京市に入ります。
今日は車で谷間のそばまで行きます。(そこに車を止められる事がわかっていたので。)
長男と一緒に車を降りて、小川を渡ります。
と、正面山の右側に動くものが目に入りました。二頭のシカが斜面を駆け上がって行きます。
銃を構えます。しかしスコープの中にシカを捕える事が出来ません!!!
モタモタしている内に、シカは木の陰に入ってしまいました。
目を凝らして再度山を見つめます。すると先ほどより大きめのシカが、今度は山の左側を走って逃げだしました。
(止まっている時は、気付かなかった事になります。)
しかし本気で逃げる気がないのか、ちょっこっと走っては止まり、私の様子を伺っています。
銃を構えます。スコープを覗く・・・と、見えるのは木々ばかりで、シカの姿をスコープに捕える事が出来ません!
スコープから眼を離して見ると、シカは白い尻を見せてこちらを見ています。
またスコープを覗きます。やはりシカをスコ-プ内に捕える事が出来ません。
スコープごしに周辺を探しますが、シカの姿を捕えられないのです。
2~3回そんな事を繰り返し、やっと捕えた時には、すでにシカが逃げ始めていました。
急いで引き金を引きますが、シカはあっさりと山の向こう側に消えて行きました。
(これが北海道での初発砲、となります。)

く、悔しい。4日目(実質は3日目ですが)経って、やっとの射撃チャンスだったのに・・・。
私がエゾシカに狙いをつけている時に、林道を逆方向から、白いピックアップに乗った初老の男性が来ていました。
(もしかしたらシカ達はその車から逃げて、私の方に姿を現したのかもしれません。)
少しだけその方と話します。
いまエゾシカがいたこと。その方は毎日1頭づつ取っているが、この日はまだ獲れていない事など。
先ほどのエゾシカを追いかけたいので、話もそこそこに切り上げ、林道の脇道に入ります。
この脇道は車はそれほど通らないのか、草でけっこう覆われてます。
山側と下に見える谷間を探しながら歩きますが、一向にシカが出てくる気配がありません。
途中で林の中を縫って尾根の方に登ってみます。尾根からその辺で一番高い当たりに行ってみました。
この登りだけで息が切れています。しばらく休まないと心臓を吐き出しそうな苦しさです。
やはり先ほどのシカは見つけられませんでした。
悔しくてなりません。さっきのチャンスを逃しては、この先もうエゾシカは獲れない気がします。
やはり一番の問題は、スコープに獲物を捕える事が出来ない事です。
これが出来なくては始まりません。
しかし射場や自宅での据銃の練習では、距離も狙う所も大体わかっているため、こういう事は起こりませんでした。
だがここで閃き!
スコープを覗いても獲物の姿を捕えられないけど、肉眼では見えるなら、銃を構えても両目で狙えばいいのでは?
試しに枯れた切り株に狙いを付けてみます。
片目を閉じず、両目で標的を見る。
そして標的を狙って左目を閉じると、ほぼスコープの中に獲物が入っています。
「これは行ける!」と思い、色々な距離の目標物で両眼射撃を試してみます。
ほぼ2秒以内にスコープに捕えられました。
やった、やったぁ~、これで次にシカを見つけたら、何とかなるかもしれない。
先ほどのシカは諦めて元の林道に戻り、先を歩いてみる事にします。
息子と2人、山の中を歩くというのも気持ちがいいです。
あまり多くを語らずとも、何となく理解しあえるような気がします。
途中、何度か「キョッ、キョッ」という、シカとも鳥とも判別つかない鳴き声がし、
1度は反対側の山で「フィ~ヨォ~」という、雄シカの縄張り宣言の声がしました。
これは誰かがシカ笛を吹いているのでしょうか?それとも本物のシカでしょうか?
車に戻り、今度は妻の運転で林道を走ります・・・が、シカの姿はまったく見つかりません。
意外に杉林も多いです。(杉林にはシカはいないと思うので。)
国道に出て、そのまま今夜の宿泊予定地に向かいます。
(ここをテキサス・コロニーと呼びます。)
息子たちは釣り(私は仮眠を取ります)をします。が、昨日くらいから急激に冷え込んで来て、魚も活性が低そうです。
まったく釣れません。周辺にいたフライマンの方と話しても
「今日は全然ダメ」と言う事でした。
日も暮れ、夕食&入浴のため市街地に行きます。
ホテルで入浴だけ頼みます。
風呂から出てくると、ホテルのロビーで年配のハンターの方が、知人か家族に電話をかけていました。
「×××で二頭獲ったよ。柔らかい所を送ったから、美味しいと思うよ。」
うらやましい。ここまで獲れない&見つけられないと、すでに半分あきらめの境地です。
(最初っから、みんなに無理だ言われていたし、自分でも無理だろうと覚悟してはいたのですが・・・)
夕食はラーメン。有名店らしくかなり美味しかったです。
(車中泊の連続で疲れきった胃でも、食欲が出るラーメンでした。)
P1000064.JPG
宿泊予定地へ戻ると、その駐車場で次男が雄シカを見つけたそうです。
こんな観光地にもシカは出るんだ、と思いました。

と、ここまでで北海道エゾシカ猟・第1日目~4日目までは終わりです。
4日間中、猟場でのエゾシカ発見回数2回、発砲1回のみ。
このザマで、果たしてエゾシカは獲れるのか?
--- TO BE CONTINUE ---
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2008年、北海道エゾシカ猟(準備編) [ハンティング編]

10/26~11/2にかけて、北海道にエゾシカ猟に行ってきました。
今回は備忘録の意味で、その時の記録を記述します。

まずきっかけは「ぽりぽりさんのブログ」の「北海道へ猟に行く。」の
記事を見た時でした。
http://pori-pori.blog.so-net.ne.jp/2007-01-05#comments

さらに「Fun Shooting Vol2」には
「北海道行って、エゾシカを獲ろう!」的な記事が載っているではありませんか。
これを見ると
「ド素人君でも、ちょこっと講習受ければ、エゾシカGETだよぉ~ん。」
的な雰囲気をかもしだしています。
(本当はそんな事はなくて、私がそう読んだだけかもしれませんが。)

それまで猟とは
「地元の猟師が念入りに山を調査し、地形やそこに生えている植物や、
動物の習性を熟知した上で、大勢の仲間で巻き狩りを行って
始めて捕れるもの。それでも1猟期に1~2頭。」
と考えていました。
(だって普通の人は、野生のシカなんて一生に1~2度見た事があるか・ないか
くらいですよね?イノシシなんて檻に入っているの以外、見た事がありません。)

よし、決めた。
俺はハンターとなって、北海道でエゾシカを獲るんだ!
昔、開高健の「オーパ・オーパ」を見て、定年退職後はアラスカでヘラジカを
撃つつもりだったが、その前に北海道でエゾシカを獲ろう!
そして大自然の中でちっぽけな自分を体感し、サラリーマンではない本当の
自分と向かい合うんだ!

という意味不明の自己陶酔に浸っておりました。

と、ここまで決心したのが2007年の春!
夏には狩猟免許を取得しました。
なおネット上の先達の「初心者エゾシカ猟の華麗なる記録」を読ませてもらいます。

●ハングリーハンターさん「西興部村猟区・2006年出猟編」
http://homepage3.nifty.com/hungryhunter/ezodiary/diary2006b.html

●桔梗屋さん「エゾシカ猟デビューの苦い思い出」
http://kikyouya.exblog.jp/3677902/

●GunNutsさん「Deer Hunt in 西興部」
http://www.roy.hi-ho.ne.jp/h-takeichi/page119.html

うぬぬ、これを読むとどう見ても、私自慢のベネリ君でも、狩猟用に買っておいた
レッドラベル君でも、エゾシカには対抗できそうもありません。
エゾシカ猟には、100m先の標的を撃ち抜けるハーフライフルの銃が必要なようです。
(実際には100mはありませんでしたが・・・)
現在手に入るハーフライフルの散弾銃と言えば、サベージM210Fのみ。
ここで以前にベネリを買った時にミツボシに、モスバーグのM695があった事を
思い出しました。
ミツボシに電話してみると、M695はまだあるという事でした。
別にどちらにこだわると言う事もなかったのですが、モスバーグM695は弾倉が
マガジン式で着脱可能です。
「マガジン式の方がカッコイイ!」という単純な理由で、M695を注文します。
モスバーグM695の所持許可が出たのか、10月半ば。
さあ、いざ狩猟者登録を!と思いましたが、2007年9月から2008年3月くらいまで、会社の雰囲気が
「1日たりとも休むなんて許さない!」という感じで、とてもじゃないですが
1週間も休むなんて言い出せませんでした。
(まあ、言っても100%聞いて貰えませんが。)

今年度になって環境も変わり、リフレックス休暇を取得する事が可能となりました。
やったぁ~~~、これでエゾシカ猟に行ける!
休みは最大限生かせるように、10/26~11/2に決定!
9月に入ると同時に北海道に狩猟者申請を行いました。
ここでうりゃさんから情報が・・・。
「国有林の入林申請だした?」
・・・な、なんでしょうか?入林申請って?国有林に入るのに、許可がいるの?・・・
(注1:狩猟で入る場合には、国有林・道(県)有林など入林申請が必ず必要です。)
「北海道のハンティングネット(http://www.huntingnet.jp/)で、国有林の入林申請を
出してくれてたと思うよ。」(by うりゃさん)
さっそくハンティングネットさんにメールし、国有林の入林申請をお願いします。
ここで国有林以外にも道有林もあり、そちらも入林申請を出します。
道有林の入林申請は自分で出しますが、少し面倒なのは自分の入りたい道有林の入林申請を、
管轄の支庁(の森づくりセンター)ごとに出さねばなりません。
私のように(今後の調査もかねて)広範囲に回る場合は、何箇所もの支庁に出す必要があります。

この間、ネットで色々とエゾシカ猟について調べます。
遠く離れた北海道の様子は、地元でハンティングをされている方々のブログを参考にさせて頂きました。

●銃砲店主の独り言
http://huntingnet.blog55.fc2.com/

●自然と釣りそしてハンティング日記
http://turuiakira.blog69.fc2.com/

●RUBAN gabu
http://plaza.rakuten.co.jp/rubangabu/

●北の狩人いい大砲だい
http://plaza.rakuten.co.jp/hantaa/

●From Deer Town
http://nanuk.blog109.fc2.com/

●ウルフの根城
http://van5150j.blog71.fc2.com/

●道楽T主の本日の釣果(猟果)
http://tsuridouraku.naturum.ne.jp/

さらにSafaJapanさんの「2007北海道狩猟研修」もプリントアウトし、
電車の行き帰りに、何度も繰り返し読みました。
http://sefa-japan.la.coocan.jp/hokkaidou.html

北海道在住の方ではないですが、やはりエゾシカ猟出猟記で・・・。
●GO GO ヘナK小隊!!
http://blog.goo.ne.jp/hena2k

皆様、ここでお礼を申し上げます。(すごい勝手な陰ながらのお礼で申し訳ないですが。)

10月に入ると、
・北海道の狩猟者登録一式(登録証、狩猟者バッチ、ガイドブック、地図)
・国有林の入林許可
・道有林の入林許可
などが次々と届きました。

弾はハンティングネット社長に教えて頂き、レミントンの銅弾サボット(輸入品)を購入。
けっこう苦労したのはナイフでした。
「ナイフぐらい釣具屋に・・・な、無い!」
昔は確かにおいてあった大型ナイフがありません。
ホームセンター、アウトドアショップなどにも置いていません。
(最近、事件がありましたし・・・迷惑な。)
雑誌で調べると、狩猟用ナイフは軽く2万以上するようです。
ナイフなんて実用品なので、そこまでのお金をかけるつもりはありません。
そこで通販で安物の大型ナイフと、昔にヨーロッパ旅行のお土産に貰ったツールナイフを使う事にしました。
次にシカが採れた時のため肉袋。最初はビニール袋でいいかと思っていたのですが、
「蒸れ肉」の話をハンティングネットの社長の聞き、譲って貰う事にしました。

北海道まではどうやって行くか?
最初はMyCar&フェリーで、北海道では車中泊とホテルにするつもりでした。
しかし同じ職場の人に「北海道行くならAirDoが安い!」と教えて頂きました。
AirDoなら45日前なら、何と東京→札幌で1万円!
往復でも1人あたり2万1千円。4人でも8万4千円です。

さて自分の車で行かないので、北海道での足はどうするか?
ここで足と宿の両方を満たす方法がありました。
なんとキャンピングカーのレンタルです。
子供たちが「キャンピングカーに乗りたい!」と言ったのと、私も以前から
キャンピングカーに憧れがあったからです。
・・・湖のほとりで、子供たちが釣ったマスと一緒に、獲ったエゾシカの肉でバーベキューをし、
星を見ながら、普段はしないような話をする。そして語り疲れたらキャンピングカーで眠る・・・。
という妄想が湧き上がります。

さあ、準備は整いました!
次はエゾシカ出猟の記録を記載します。
(このエゾシカネタで、10回くらい持たそうかと・・・)
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