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お笑いソリューション [雑談夜話]

今回はちょっと趣向を変えて、私の仕事について思う事を書いてみます。
(と言うか、前回が今回のためのネタフリなんですが・・・。)
内容は、個人や会社が特定できない範囲なのでご容赦下さい。

このブログを読んでいる皆さんも、会社や日常のアチコチで
「ソリューション(solution)」という言葉を聞くと思います。
ソリューションとは簡単に言うと「〔問題などの〕解決(策), 解明,解答」という意味です。
もっとも最近では、ITや情報システムと関連する場合に用いる事が多いようです。

IT関係やシステム会社の営業が客先に行くと
「当社が提案するソリューションとしましては・・・」
「この場合のベストなソリューションとは・・・」
という魔法の言葉として、当然のように使われています。
こういう会社は、自分の会社を「ソリューション・プロバイダー」と呼び、
その営業担当やシステム担当者を「コンサルタント」と呼ぶ場合もあります。

では、自らのクチで「ソリューション・プロバイダー」
(直訳すると"問題解決策の提供者"とでもなるのでしょうか?)
とのたまうシステム会社は、自社でどのようなソリューションを行っているのでしょうか?

結論から先に言います。  「根性!」   です。

例えば・・・
絶対無理な仕事量を、絶対無理な納期で指示された場合。
技術的に極めて困難な事を、金銭的にかなり無理な予算で指示された場合。
原因不明で再現のしないシステム障害を、明日の朝8時まで解決せよと指示された場合。
etc, etc・・・

全てSEやPGの不眠不休不屈の「根性」によって、何とか切り抜けて行きます。
出来なければ徹夜を続けてでもやるだけです。
出来ない奴が悪い。それが「成果主義」です。
至極当然の事と言えます。
(たま~に、切り抜けられない時もあるんですが。)

ただ「これってソリューション(問題の解決策)?」と、首をかしげてしまいます。
(と言うより「根性」が問題解決策なら、誰も大金を払って他社にお願いする必要は無いのではないでしょうか?)

上記は人間の問題なので、まだ「根性」でカバーできるのですが、
機械(ハードウェア)にも、「根性」と「叱責」で何とかなると思っているフシがあります。

実際に私が経験した中で
「開発期間に入ったが、パソコンが来ていない。」というのがありました。
(と言うか、これってよくある事なんですよ。ホントに。)
再三のPC調達要請にも、上司は「明後日くらいまでには何とかする。」という言葉の繰り返しでした。しかし毎日の進捗(仕事がどこまで終わったか?予定通りに進んでいるか?)は、必ず求めてきます。
もう6年くらい前ですが、ある上司は、私の再三の要求に逆ギレし
「なんでパソコンがないと開発が出来ないんだ!私が若い頃はみんなコンピューターなんか使わせて貰えなくって、紙にプログラムを書いて開発していたんだぞ!」
と言い出し、その後1時間ほど説教をくらいました。
実際、汎用機と呼ばれる大型コンピューターの時代には、確かにまず紙にプログラムを書き、それを
チェックした後、タイムシェアリングされた端末でプログラムを打ち込んでいました。
だが現在では、机上プログラミングなんてやっている開発者は、まずいません。
開発ツールを立ち上げて、チョコチョコッとプログラムを書いたら、コンパイルして動作するかどうかを確認する。
おそらくこれが一般的なコーディング・スタイルだと思います。

「根性で乗り切るソリューション・プロバイダー」
「PCなしでプログラムが出来ると豪語するシステム・インテグレーター」

いっや~、IT業界って、実に不思議な所です。
自らの存在理由を、自分で否定してしまうんですから・・・。

あ、そういえば会議で言いたい事だけ言って、都合が悪くなると
「その辺は、みんなでコミュニケーションを良く取って・・・」
で逃げてしまう、プロジェクト・マネージャーもよくいます。

「プロジェクト管理は、みんな仲良し」
という事でOKでしょうか?


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爆発するコンピューター! [雑談夜話]

私の仕事はシステム・エンジニアと呼ばれる業種です。
当然、日々コンピューターと接する仕事です。
私は子どもの頃から、SFの小説・アニメ・マンガが大好きでした。
先日、レンタルビデオで昔のマンガを借りて見たいたら、思わず
ツッコミどころ満載で、話の内容が頭に入らないくらいでした。
今回はそうしたくだらないツッコミ話を、聞いてください。

1、仮面ライダーV3
敵の組織「デストロン」のコンピューターが、仮面ライダーV3の能力を計算した所、
「ライダーV3の能力は、スゴすぎて計算できません。」という音声回答を返した後、
火花を吹いて基地ごと大爆発を起こしました。
いやぁ、すっごいなぁ、コレ。根性入っています。
データの上限値を超えただけで、大爆発を起こすなんて。
(ちなみに上限値を超える事や、出来ない計算なんて命令するのは簡単です。
0で割ればいいだけですから。)
普通は「例外エラー」という処理を入れているので、エラーログを出力して終わりなんですが。
さすが悪の組織です。プログラマーの手抜きバグも桁が違います。
これに比べれば、WindowsNT系の「青い画面」(NT系はOSのシステムエラーが発生すると、青い画面に白い文字でエラー内容がダンプ出力されます。)や、マックの「爆弾」(最近は聞きませんが)なんて、どれ程の事がありましょうや?
そういえば、昔のアニメや特撮って、よくコンピューターが爆発していましたよね。
ある意味「究極のセキュリティ」と言えなくもないかもしれません。
(今だかって、「東証のコンピューターが処理の上限を超え、兜町が吹き飛びました!」
なんてニュース、聞いた事ないですものね。)

2、バビル二世(マンガ)
バベルの塔に住んでいる超能力中学生ですが、バベルの塔をコントロールしているコンピューターはボタンを1つ押しておくだけで、ほとんど全ての事が出来ます。
(施設管理やデータベース機能はともかく、自動防衛機能やデータの自動分析などです。
NECの「地球シュミレーター」を、遥かに超える分析能力や推測能力が可能です。)
ある意味、究極のインターフェースだなぁ、と感心しました。
またこのコンピューターのすごい所は、音声認識対話型インターフェースを使っているのに、データ出力が紙テープ!な所です。(画像はモニターがありますが。)
このアンバランスさ、さすがは何千年も前に飛来してきた宇宙人が作っただけの事はあります。

3、ウルトラマン(セブン?)
ウルトラ警備隊(でしたっけ?)が、コンピューターから出力された紙テープを読み取り、
「何!東京湾に怪獣が現れただと!」と叫ぶシーンです。
あ、あなたは紙テープのパンチを読めるのですか?
スゴイ、スゴすぎます。人間アセンブラ、人間ニーモニックです。
(おそらく今の若いプログラマーは、アセンブラやニーモニックという言葉自体知らないでしょうが。)
でも紙テープのパンチが読めるくらいなら、最初からコンピューターはいらないんじゃないでしょうか?
(それ以前に電話で十分ですけど・・・。)
もう少し進化すれば、DVDの光の反射からもデータを読み取れそうで恐いです。

ところが、現実は小説より奇なり。
飲み会の席でこの話をしたら、「あ、オレ、ある程度なら紙テープのデータ読める。」という
すんごい御仁が居られました。
文字はバイトコードで16進数に置き換えられるので、慣れると紙テープのパンチのパターンである程度はわかるそうです。
昔はバグのある所(その部分だけパンチのパターンがズレていたり、違っているそうです。)だけ、紙テープを切り取り、糊で繋ぎなおしてコンピューターに再度入れて動かした事もあるそうです。
スッゴイですよね~。まさしく職人芸です。

とまあ、昔のテレビや映画って、別の所で楽しめますね。
昔の子供向け番組を、本当はそういう目で見ちゃイケナイんでしょうけどね。
(こういうのも、その時代の反映ですから。)でも笑えます。
他にももし昔の映画の傑作ネタがあったら、教えて下さい。

P.S
それに比べると銃って変わってないですよね。既に完成されたモノなんですね。
基本的には20世紀初頭から、ほとんど新しい事はないんでしょうね。


「新成田離婚」だって! [雑談夜話]

最近、「新成田離婚」って言葉を見かけました。
成田離婚は「結婚して新婚旅行に行ったカップルが、旅行中でお互いに愛想をつかして、成田空港に到着してすぐに離婚をする。」という意味です。
わかりますよね~、その気持ち。
私も周囲の友人に聞くと「新婚旅行でケンカした!」って、けっこう多いんです。
「こいつとは一生一緒にはいられないな。いつか別れそう。」って感じたそうです。
各言う私達も、新婚旅行中は疲労のためか、お互い不機嫌なまま過ごした覚えがあります。

では「新成田離婚」というのは何か?
これは「定年退職した熟年夫婦が記念に海外旅行に行き、お互いのスレ違いに気づいて離婚する」
と言うのを指し示す言葉だそうです。
(主に奥さんが、旦那さんに愛想を尽かすそうですが・・・。)
早い話が熟年離婚の一種ですね。
会社勤めが終わって「これからゆっくりと余生を過ごそう。」と考えている旦那さんと
「やっと子育ても主婦業も終わって、これから羽を伸ばそう。」と考えている奥さんとでは、
天と地ほども、思い描いている生活に差があるそうです。
中には、ダンナが毎日家にいる事でストレスのあまり、精神病になってしまう奥さんも存在するそうです。
(そこまで嫌か?って気もしますが・・・)

ここまで書いて、改めて熟年女性の心って若いなぁ~、と感心しました。
だって50代や60代で、ヨン様やパク様のために韓国に行けちゃうんですからね。
ジャニーズ大好きな熟年女性もいるし。
あやや(松浦亜弥)の追っかけしているオジサンとか、ミキティ(安藤美姫)のために
トリノに行っちゃう定年退職者とか、あまりいないですよね?
(「あやや」だの「ミキティ」だの、自分で書いてて恥ずかしいんですが・・・)
私も頑張って、松浦亜弥主演の4代目・スケ番刑事でも見るかな?

熟年離婚の対策を説いているサイトでは、
「奥さんを束縛しない。」「互いに自分の世界を持つ。」「出来るだけ自分も外に出る。」
など、どちらかというとダンナが奥さんに合わせる事が多く書いてあります。
奥さんが嫌になって出て行く場合が多いので、仕方が無いかと思いますが、
同じ男の身としては切ないですねー。
そんなに嫌なら、まだコッチが再婚できる現役中に離婚してもらいたい、
な~んて考えるのは不埒モノでしょうか?

2007年からは妻も夫に支給される年金を、半分請求できるようになるそうです。
だから「2007年を待って離婚しよう」と考えている熟年主婦はけっこう多いという事。
30年以上も会社に尽くしてやっと貰った退職金。それも持って行かれちゃうんですね。
確かに夫だけが働いている訳じゃないんで、当然の権利なんですけど、
なぜか男の方が哀れに感じます。

ちなみに下は「シニアルネサンス財団」のやっている「熟年離婚度チェック」です。
まあそれなりに面白いと思いますので、一度試してみられてはどうでしょうか?
(男性用・女性用があります。)
http://www.sla.or.jp/check/rikonn0312.html

この話、本当は
「結論として、夫婦で一緒に出来る趣味のクレー射撃をやろう!」
って方向に持って行こうとしていたんです。
でも熟年離婚の対策のサイトにも男女差があって、(日経なんかの)男性向けサイトは
「夫婦の対話を大切にし、共通の趣味を持とう。」
と書いているのに対し、女性向けのサイトは
「夫も妻も互いに自立し、個々の趣味と自由な時間を尊重しよう。」
と書いてあるんです。
「熟年離婚対策」にも男女で温度差があるんですね。なんだかなぁ~。


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廃品でジェットエンジンを自作した男! [雑談夜話]

これも射撃とは関係のないサイトですが、すっごい面白いで取り上げてみました。
すでにいくつかの自動車雑誌などでも紹介されており、かなり有名なサイトなので
私が言うまでもなく、ご存知の方が多いかと思います。
それもそのはず、「車の廃品を利用してジェットエンジンを自作した」のです!

ジェットエンジンとは、簡単に言えばタービンを回して取り入れた空気を圧縮し、
そこにガスを混合させて火をつけ、その爆発力でタービンの回転力を得て、後方に
燃焼ガスを排気するという、構造は意外に単純なエンジンです。
ですが原理が簡単なればこそ、様々な難し~ぃ技術があります。
しかーし、そんな難しい理論はともかく、このサイトの作者は素晴らしい!
ジェットエンジンのタービンには、廃車のターボチャージャー。
燃料には小型プロパン。
ジェットエンジンのタービンを始動するために、掃除機。
資料は立ち読み。

しかもこの自作ジェットエンジン、いい音かましている割りにはパワーは
ほとんどなし!
試みにキックボードに装着したのですが、出るのは音だけで自走不可!
推力0です。(動画あり)
いやいやいやいや、ここまで無用無能のものを、ここまで労力と知力をかけて
作り上げたガッツ。見上げ果てて首がムチウチになりそうです。
しかもほとんど全てが廃品利用のため、お金はほとんどかかっていません。

そして極めつけは!ジェットエンジン爆発!
ジェットエンジンの燃料はケロシンで、成分は家庭で暖房に使用する灯油と
ほぼ等しいのですが、そいつを使用。
「おお、液体燃料は流石にパワーが出る!出る!」と筆者は喜んでいるのですが
(何せ何キロもあるエンジンの土台ごと、ズルッズルッと動いたそうです。)
最後にドカーンと爆発。
タービンの破片が砕け散って首から出血しています。流血フゥ~!
私なら「目に当たって失明しなくて良かった」「頚動脈でなくて良かった」
「子供がいなくて良かった」という小市民的感想を持つところが、この作者は
「ビデオを回していなくて一生の後悔」「早くこの出血をデジカメに取れ!」と
常人の域をはるかに超えたサイト作者魂で、怪我の治療より激写を優先しています。
幸い傷は大きくはないようですが、首にぶつかった破片(千切れたタービン部分)
が大きかったら、無事にはすまなかったと作者も言っています。

ある種、清水草一先生の「フェラーリ曼荼羅」に相通ずるものがあるこのサイト、
まさしく
「サイトネタの
 サイトネタによる
 サイトネタのためのジェットエンジン」
とも言えますが、ともかく最高にクールでイカしたサイトである事は保障します。

10%の知的好奇心と、
20%のネタと
30%のヒマ潰しと
40%の笑いを取る。

このサイトこそ、我々サイト作成者の真髄を体現した男として、私は最大限の賛辞を送りたいと思います。

「雅屋」
http://masa-ya.jp/
が,トップページです。
このページの下の方にある
「●白井内燃機工業@雅屋」をクリックして下さい。
遷移先に愛車紹介などもありますが、その下の
「■自家製造ジェットエンジン炎魔焦熱地獄(エグ・ゾーダス)シリーズ」
からが自作ジェットエンジンについてです。
「●炎魔焦熱地獄零號機」
をクリックして下さい。


3万アクセス突破!ありがとうございます。 [雑談夜話]

先日、このブログの管理ページを開いてみたら・・・
3万アクセスを突破していました!!!
ありがとうございます。これも皆さんのお陰です。
実際には同じ人が繰り返しアクセスしていると思うので、見てくれる人は全部でニ十人位だと思うのですが、それでも、こんな素人の役に立たないブログを見てくれているとは、
本当にありがたい事です。
私としては「自分の記録」と「これから射撃を始める人のために」という
2つの目的でブログを作成し始めました。(前者が8割ですが)
もっとも「これから射撃を始める人のために」の前に「主に私の友人で」が入ってたんですけどね。
まだ誰も私の友人は射撃を始めてくれません。
ですが当初の予想外の事で「ブログで同じ趣味を持った人達と知り合えた」という事は、
本当に良かったと思います。
そうでなければ今でも妻と2人だけで、地味ぃ~な射撃ライフを送っていたと思います。

ちなみにこのネタ、本当は「1万アクセス突破!」の時に書こうと思っていたんです。
ところが10月後半~11月頭は仕事が忙しく、気が付いたら1万を突破して大分過ぎていました。
「よぉーし、2万突破の時こそ書くぞ!」と思っていたら、同じ時期に同じネタで先を越されてしまいました。(別に先を競っている訳ではないので、いいんでしょうけど。)
こうして3万アクセスの時がやってきました。
(今も仕事が忙しいんですよね~。万の単位でキリがいい時って、仕事があわただしい時なんでしょうか?)

私は一応IT業界に身を置いているので、ブログについては早い時期から知っていましたが、ブログのメリットが今ひとつ実感出来ませんでした。
「ブログ?普通のサイトや掲示板と何が違うの?」って感じでした。
2005年6月くらいに「ブログとアファリエイトで儲ける」というような記事を雑誌で読み、
「また素人ダマシのIT記事が載ってるなぁ。」程度に思っていましたが、夏に会社より
「新しいソリューションの提案について」レポートを出すように言われました。

色々考えたんですが、とりあえず期限が迫っていたので、一番手っ取り早そうな「ブログ」についてレポートを出す事にしました。(ブログとアファリエイトの仕組みは知っていたので。)
ところが実際にはブログをやっていないので、何を書いていいのかわからず・・・。
そこで以前から「銃所持日記」を(うまくなったら)公開しようと思っていたので、
試験的に始めてみる事にしたのです。

そうしたら・・・ハマる、ハマる。
特に最初の頃は夢中になって書いていました。
またこのブログを開設したおかげで、たくさんの射撃仲間が出来、色々な情報も教えて貰えるようになりました。
私も妻も、面識のない人に射場でいきなり話し掛けるような勇気は無い人間です。
だからこのブログを通じて人と知り合ったり、「ブログを見ましたよ。」と言って声をかけて頂けるのは、大変ありがたいです。
インターネットで公開されるモノなので、注意が必要な部分もありますが、これから射撃を始めようと思っている人には、お勧めのコミュニケーション方法だと思っています。
(なにせ所持者の絶対数が少ないスポーツなんで、中々情報が集めにくいと思います。)
もっとも、当初考えていたように「着実に進歩する自分の姿」には程遠いのですが、
皆さん、これからもよろしくお願いします。


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羆嵐(くまあらし) [雑談夜話]

猟銃を所持するようになり、自然と私の目も狩猟に向くようになりました。
ネットを通じて知り合った幾人かの方々も、実際に狩猟をやっておられます。
そこでこの正月を利用して、久しぶりにのんびりと狩猟に関する小説を読んで見ました。
中学・高校時代にも、戸川幸夫氏や鳩椋十氏、西村寿行氏、C・W・ニコルの小説をいくつか読みましたが、その中でも特に強く印象に残っているのが、吉村昭著「羆嵐」です。
この話は大正時代に実際に起こった事件です。

北海道北西部の苫前近辺の「六線沢」という入植地にて、6人もの人命が一頭の羆により失われたそうです。
この小説、厚さはそれほどでもないのですが、内容の面白さは保証できます。
全体をおおまかに3つに分けると、前編が「歴史パニック物」、中編が「(エイリアンなどの)怪物パニック物」、後編が「孤独なアウトローの猟師が獲物を狙うハンティング物」という、1冊で3回おいしい内容です。(当社比)
(ちなみに内容は、こんなおちゃらけた態度で読むには程遠いのですが。)

概略をかいつまんでお話すると・・・
大正時代、北海道日高国三毛別村六線沢に15戸の入植者がいた。
ある冬、冬眠出来なかった「穴持たず」の羆が現れ、ある家の妻と子供が殺傷された。
当初は殺人事件かと思われたが、妻の遺体が山に運ばれている事から羆に襲われた事が判明。
村の男たちは捜索のため山に入るが、そこで巨大な羆を目の前にして手も足も出ない。
羆は何人もの男たちを尻目に悠然と立ち去るが、その後には無残に食い荒らされた女性の頭部の一部と左足先が残っていただけだった。
わずかばかり残った遺体を持ち帰って通夜を行うが、その通夜の席に羆が乱入。その場では誰も死者は出なかったが、直後に女子供だけが非難していた家が襲われ、4人の命が失われる。
六線沢・三毛別の男たちは、すでに六線沢が羆のエサ場と化していることを察知し、六線沢の住民は下流の三毛別に、村を捨てて全員で避難する。
やがて警察を中心に近隣の村から屈強な男たちが終結して羆退治を行おうと、六線沢に乗り込む。
しかし雪と森に囲まれた六線沢に立ち入るだけで、誰も彼もが羆の影に怯えきってしまう。
六線沢と三毛別を束ねる区長は「素人では何人集まってもダメだ。」と判断し、嫌われ者だが羆専門の猟師・銀四郎に依頼する事を決意する。

という内容です。
貧しく、銃はもちろん警察も何も無い僻地で、草囲いの家で寒さに耐えながら暮らす人々。
そこに大自然の猛威として無慈悲に襲い掛かるヒグマ。
数を頼んで立ち向かおうとするけど、人間の非力さと恐怖に捕らわれる村の男達。
そして孤独に1人でヒグマを追う人間嫌いの猟師。
活字の中から圧倒的な臨場感が伝わってくる気がします。
ちなみに「羆嵐」とは、山の神である熊を殺した時には必ず大嵐が吹き荒れるそうです。
これを「羆嵐」と呼ぶそうです。

私は吉村昭氏の小説は、「零式戦闘機」「戦艦武蔵」に続いて3冊目にこの羆嵐を読みました。
どれも史実に基づいたドキュメンタリー小説のため、全体を通して特定の主人公らしい人物は出てこないのですが、どの場面も情景が頭に浮かんでくるように描かれています。
羆の陰におびえる人々の様子など、私自身がその場で見ているかのような気分になった程です。

なおこの話は、他に戸川幸夫氏の小説「羆風」(同名で矢口高雄氏のマンガがあります。これも読みました。)もあります。人物の描かれ方に若干の違いがありますが、本筋は同じです。
どちらも当時の話を覚えていた林野官・木村氏の調査を元に書かれたとのことです。
(木村氏の調査内容は「慟哭の谷」という題名で本となっているそうです。)
興味がある方は、一読される事をお勧めします。
(本来の意味の狩猟本ではありませんが。)

最後に、やっぱり銃関係のブログなんで銃の話でしめます。
村の猟師が持っているのは、いわずと知れた村田銃。
警察の分署長と署員が持っているのが、新式の二連銃。(この時代だからウィンチェスターあたりの水平ニ連銃と推測してます。)
そして銀四郎が持っているのが、樺太司令部の刻印のある軍銃(何の銃でしょうか?)と小説ではなっています。


竜腹寺 [雑談夜話]

銃とはまったく関係のない話ですが、ご家族を成田射撃場に連れてきた時に
ちょっとしたウンチクとして語って下さい。
(私の息子にはけっこうウケました。)
出自は忘れてしまいましたが、内容は間違っていないはずです。

柏・千葉NT方面から成田射撃場に行く途中、R464を通ると思いますが、途中で
「竜腹寺」という交差点があります。ここまで線路の両脇を片側2車線で、この先の
印旛日本医大までが片側1車線の道路となるので、記憶に残っている人もいるかと思います。
この「竜腹寺」という変わった名前ですが、他に「竜角寺」「竜尾寺」という寺があり、
以下のような言い伝えがあります。

大昔、印旛沼は今よりも大きな沼でした。そこには1匹の竜が住んでいました。
その竜は何年も印旛沼の底で眠っていましたが、ある時頭上で子供の泣き声がしたので、
目を覚ましました。気になった竜は水面に姿を現し、子供に「なぜ泣いているのか?」と
尋ねた所、今年は旱魃で雨が降らず、米も作物も出来ずに村中が困っている、と泣きながら
言いました。
それを聞いた竜は、天に上って天の水がめをブチ壊し、付近に雨を降らせました。
周辺の村人は大喜び!その雨によって村々は飢饉から救われました。
ところが天の神様は「雨を降らせないのは、天の神が決めた事。勝手な事は許さん!」
という事で、人々を助けた竜は3つに引きちぎられ、地上に投げ落とされました。
人々は、その竜の頭が落ちた所を「竜角寺」、胴体が落ちた所を「竜腹寺」、尾が落ちた所を
「竜尾寺」をそれそれ建立し、竜に感謝しました。

というお話です。
ちなみに、竜角寺は千葉県印旛郡栄町、竜腹寺は千葉県印旛郡本埜村龍腹寺、竜尾寺だけ印旛沼とは少し離れて千葉県八日市場市大寺にあります。
何でも竜角寺は関東でもかなり古い時期に建立されたお寺だそうです。
大きくはありませんが、静かで清潔な感じのお寺です。
ヒマ潰しにちょっと立ち寄ってはいかがでしょうか?


ロボットカー・レース「グランド・チャレンジ」 [雑談夜話]

このブログには銃とは関係ない事は、見る方にも面白くないだろうと思って書かないつもりでした。
しかし、私のすっごい興味のある記事が出ていたので書いてしまいます。

ロボットカー・レース「グランド・チャレンジ」って知ってますか?
以前にNHKで放映したので、ご存知の方も多いと思います。
アメリカ国防総省(DARPA)が開催している、完全自立走行によるロボット・カーのレースです。
人間の手は最初にスイッチを入れるだけ。それ以外は全てロボットに積載されたコンピュータが、自立的に判断して自動車をゴールまで走行させるのです。簡単に言うと「ナイトライダー」の世界です。
第一回は2004年3月に行われました。結果は全車リタイヤ。一番走った車でわずか12キロ。
レースは240キロ(当初は480キロ)ですから、いかに及ばなかったかわかります。

第2回は2005年10月8日に本戦が行われました。
結果は・・・なんと5台が完走!ものすごい進歩です。
グランド・チャレンジは、ロボットカーが完全自立走行で、240キロの砂漠のコースを10時間以内に走破する事が求められますが、トップのスタンフォード大学製作の『スタンレー』は6時間53分58秒で走破したそうです。素晴らしい!
私も出来ればいつかグランドチャレンジに挑戦してみたいなぁ、なんて無謀な事を考えていました。
正直、この手の自動走行車は、あと最低5年は実現不可能だと思っていたのですが・・・。
優勝賞金は200万ドルです。もっとも制作費用に1200万ドル以上かかっているそうです。
しかし賞金は問題ではありません。これから成長してくる分野は、間違いなくこの手のロボット制御技術だからです。
日本では人型ロボットが二足歩行した事が大きく取り上げられてますが、商業的には自動車の自立走行の技術の方が、はるかに意義があると思います。
一般的な街での自動走行だけではなく、軍用としてはすぐにでも需要があるでしょう。
事実、このグランド・チャレンジも米軍が兵站のために、無人走行車両を開発しようとした事から始まっています。兵站用輸送が無人化すれば、イラクで人質になった美人米軍兵士みたいな問題は起こりませんものね。
事の良し悪しは別にして、この手の技術でアメリカに先を越されてしまったのは、日本の産業界としては大きな痛手だと思うのです。PCのOSやソフトウェアだけではなく、ロボットの制御技術もアメリカに握られてしまうのでしょうか?
今まで組込みソフトなどのハードと一体化したソフト等の分野は、日本が実質トップだっただけに、私はグランド・チャレンジの成功は、とてつもない脅威に感じます。
日本の未来の産業のためにも、トヨタでもホンダでもいいですから、今からでも自立走行車の開発を急いで欲しいと思います。

http://response.jp/issue/2005/1011/article75112_1.html


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